第17章 地下都市の終焉
君月/三葉/鳴海/与一
「………」
顔を見合わせ動かない。
警戒するのも当たり前だが、ここまで来たら行くしかないだろう。
シノア
「…行きましょう」
覚悟を決めたシノアがバスに乗り込んだ。
それに続いてどんどん乗っていく。
フェリド
「クローリーくんは運転手ね」
クローリー
「はいはい」
大人しく運転席に座り、全員が座り終えるのを待った。
1番後ろに優とミカが座り、その前に与一と通路を挟んでシノアと三葉。
更に前に鳴海と通路を挟んで君月が座った。
クローリー
「じゃあ出すよ」
ドアを閉めて、どこへ向かうのかしらないままアクセルを踏んだ。
バスを走らせながら鏡越しに後ろを見ると、1人を除いて空気が重い。
フェリド
「楽しいねー、まるで遠足に行くみたいだ。お弁当もたくさん積んでるし」
君月
「…お弁当って俺達の事じゃないだろうな」
残念ながら君達で間違っていないだろう。
三葉
「おいシノア、本当にこのバスに乗って良かったのか…?」
シノア
「でも他にやりようが…死体ですが人質もいますし…」
どんなに小さな声で話そうが、この密室空間では意味がない。
それが分かっているから人間達は普通に話していた。
シノア
「それに今の私達じゃ逃げ切れません。優さんの薬もいりますし、終わりのセラフの情報も聞きたい」
ミカ
「甘いね」