第6章 4年前
明るくて悩みなどなさそうなのにそんな過去があった。
自分が1番不幸だと思っていただけに言葉が出ない。
ミカエラの話を聞いて、今まで黙っていた子供達がこちらへと来る。
そして先程の話に便乗するかのように1人1人自分達の身の上話を話してきた。
男の子1
「僕ね、親って見たことないよ!」
男の子2
「僕はお父さんもお母さんも自殺しちゃったー」
女の子1
「私は孤児院の前に捨てられてたんだって!」
優一郎
「え?ちょっ…」
子供達は話す内容の暗さとは違い、みんな笑顔で言っている。
その光景は、それを変だと思う俺がおかしいのかと疑うくらい楽しそうだ。
ミカ
「でも僕らは寂しくありません。なぜなら…」
そこで区切ると人差し指を立て、得意げに笑った。
ミカエラの周りにいる子供達もみんな笑顔。
そしてその笑顔は俺に向けられていた。
ミカ
「今日から優兄ちゃんが来てくれたからでーす!」
そう声を上げると同時に、子供達が俺に向かって飛びついてきた。
男の子も女の子もお構い無しに来るためバランスを崩し、後ろに倒れそうになる。