• テキストサイズ

罪と罰【終わりのセラフ】

第6章 4年前




ミカ
「僕はミカエラ、君と同じで1人ぼっちだったけど今はここに家族がいる」

優一郎
「……」


家族という言葉にピクリと反応してしまう。
そんな俺を見て、一層笑みを深めたミカエラ。


ミカ
「今日からは君もだよ」

優一郎
「………くっだらねぇ…何が家族だ」


これは本心からの言葉。
吐き捨てるように言うと、ミカエラは軽く首を傾げる。
こいつは理由を言わないと納得しないだろう。
そう思い、俺にとって家族というものがどんな存在なのかを説明する。


優一郎
「俺は父親に殺されかけてここに来たんだ。母親は俺のことを悪魔の子だとかわめき散らして、最後には自殺しちまった」

子供達
「……」


そう言うと、孤児院は静寂に包まれた。


優一郎
「わかるか?俺にとっては家族なんて…」

ミカ
「へぇ〜それは大変だったね〜」

優一郎
「!」


子供達も院長先生も黙って聞いていた。
だが、ミカエラだけは違った。


ミカ
「僕も身の上話した方がいい?」

優一郎
「…は?」

ミカ
「僕は両親に虐待されたあげく、車から投げ捨てられてここに保護されましたー」

優一郎
「…!」


言葉が出なかった。
それは俺の話を聞いてあっさりと流しただけでなく、壮絶な身の上話をニコニコと笑いながら話していたから。
/ 646ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp