第17章 地下都市の終焉
クローリー
「分かったよ。で、バスは?」
フェリド
「どこかにあるよ」
クローリー
「………」
つまり自力でバスを探して来いという事だ。
この広さだけで嫌になるのに僕はここら辺の土地勘も無い。
クローリー
「はぁ…」
君月
「…おい」
それでも拒否はできないので渋々歩き出すと、呼び止められた。
君月
「バスなら駅にあると思う。1から探すよりそっちの方が早いんじゃないか」
クローリー
「駅か…」
駅なら土地勘が無くても見つけやすい。
ただ、場所を知っている相手がいるのにわざわざ探すのも面倒だ。
クローリー
「君、案内してくれない?」
君月
「は…?」
そんな事を言われると思わなかったのだろう。
一瞬固まるが、拒否はしなかった。
クローリー
「じゃあ行こうか」
フェリド
「僕は優ちゃんやミカちゃん達とゆっくり行くから〜」
笑顔で見送られ、歩き始める。
こんな所の駅に放置されているバスなんて間違いなく壊れているはずだ。
君月
「…あの吸血鬼」
直す道具がどれだけあるかポケットを探っていると、君月が恐る恐る話しかけてきた。
クローリー
「ん?」
君月
「あの時の吸血鬼は無事なのか?」
クローリー
「あの時…?」
あの時とはいつの事だろう。
彼と前にあったのは僕の屋敷だ。
それを思い出した時に誰の事か分かった。