第17章 地下都市の終焉
フェリド
「いや、可愛い茜ちゃんの蘇生法を教えてあげようと思ってさ」
ミカ
「…っ」
そんな事はできるはずがない。
1度死んだ人間が生き返るなど、決してあってはいけない事だ。
そんな僕の心を見透かしたかのように、フェリドは笑顔を浮かべる。
フェリド
「その実験の名前は終わりのセラフ。8年前、愚かな人間達が行った禁忌の呪詛だよ」
*****
(クローリーside)
ミカ
「………」
ミカはフェリドくんが例の実験の事を口にしてから大人しくなった。
これでもう戦いは終わりだろう。
クローリー
「ふぅ…」
深く息を吐いて剣を鞘に収めた。
流石に吸血鬼と戦うと疲れる。
フェリド
「………」
クローリー
「げ…」
少し休ませてもらおうと思った時、フェリドくんと目が合ってしまった。
あの笑顔は何か頼み事をする時の顔だ。
フェリド
「クローリーくん、お願いがあるんだけど…」
やはり当たっていた。
こういう予想は外れてくれてもいいのだが、仕方ない。
クローリー
「今度は何?」
フェリド
「この人数だからさ、みんなで移動する為にバスを動く様にして欲しいんだ」
嫌そうな態度を隠さずに聞くと、思ったよりも簡単な頼み事が返ってきた。
よく車をいじるのでそれくらいならすぐにできる。
だが、肝心のバスが見当たらない。