第17章 地下都市の終焉
思わず悲鳴の様な声を出すと、フェリドはこちらを見た。
フェリド
「怒らない怒らない。ちゃんと治療もするから」
優一郎
「がぁっ!」
僕を宥めるように語りかけ、注射を背中に打ち込む。
薬が注入された優ちゃんは声を上げると倒れてしまった。
ミカ
「優ちゃん!!」
注射が打てたからか、攻撃をやめてしまったクローリーを放置して優ちゃんの元へ走る。
優ちゃんは無事なのか。
殺されていないか。
ミカ
「………」
優一郎
「………」
優ちゃんは生きていた。
ただ気を失っているだけだ。
でもまだ安心はできない。
フェリドは注射の中身は危ない薬だと言っていた。
ミカ
「お前を絶対に許さないぞ」
フェリド
「え〜命の恩人なのに?」
怒りを抑えられず、フェリドへ殺意を向ける。
それでもやはり動じないフェリド。
ミカ
「お前の計画の中には入らない!!」
フェリド
「これ、僕の計画なのかなぁ」
これがフェリドの計画では無いのなら誰の計画だというのだろうか。
フェリドの目的が分からず、直接問う。
ミカ
「いったいお前は何しに来た…茜の首なんか持って来て…」
早乙女 与一(さおとめ よいち)が持つ茜の首を見る。
そこには生前と全く変わらない、眠っている様な茜がいた。
ミカ
「お前は何が目的なんだ」