第17章 地下都市の終焉
フェリド
「鬼がこんな暴走しているのにすごく綺麗な目だ。さすが特殊実験体」
優ちゃんの顎を掬うと、2人の視線が交じり合う。
力が入らないのか動かない優ちゃんにフェリドはうっとりとしていた。
フェリド
「治療前に血を飲んでみていいかな?」
優一郎
「素直に従うメリットが俺にあるか?」
フェリド
「あるよ」
優一郎
「ならそれを説明してみろよ」
意識は戻っている様で、しっかりと会話はできている。
寧ろいつもよりも落ち着いている様に見える気がした。
フェリド
「例えばこの鬼呪抑制剤は一瀬 グレンくんが使ってるのと同じ物なんだ。興味あるだろ?」
優一郎
「!」
グレンの名前を出して優ちゃんを煽る。
そんなフェリドに優ちゃんは飛びかかった。
優一郎
「お前やっぱりグレンを知ってるのか!!」
フェリド
「あは、世界が滅亡する前…、彼が高校生の頃から知り合いさ。これも彼から貰ったものだ」
フェリドの骨が軋む程の強さで腕を掴んでいる優ちゃん。
それを横目で見ながらもフェリドは余裕の表情を浮かべている。
優一郎
「ならお前は俺に情報を寄越せぇぇ!!!」
フェリド
「やっぱり可愛いね」
そう言ってフェリドは優ちゃんの首元に噛み付いた。
優一郎
「あ…ああ…」
ミカ
「優ちゃん!?」
遠慮なく噛み付いた首元から凄い勢いで血が吸われていく。