第17章 地下都市の終焉
そしてこんな状況でもいつもの様にお遊びを始めた。
フェリド
「誰が最初に助けてくださいフェリド・バートリー様って言うのかな?」
本心か冗談か分からないフェリドくんに人間達は動揺を隠せない。
優の事で手一杯なミカ以外は顔を見合わせた。
クローリー
「はぁ…」
見慣れた光景に溜息をつく。
もしアリスがこの場にいたらすごく嫌な顔をし、すぐに立ち去っただろう。
シノア
「た…助け…」
言わなくては優を助けてもらえない。
だからシノアはあの屈辱的な言葉を言おうとした。
でもそんなシノアの肩を叩いて続くはずの言葉を止められる。
止めたのは紛れもなく言わせようとした張本人のフェリドくん。
フェリド
「冗談だよーん。僕は君らの友達になりに来たんだ」
本当にタチの悪い冗談。
これでこの人間達も僕やアリスと同じ様に、最悪の吸血鬼に捕まってしまったのだ。
フェリド
「友達は無償で助けるのが僕の主義。さあ助けよう、優ちゃんを」
この瞬間から彼らもフェリドくんの計画に巻き込まれる事が決定した。
フェリド
「よっと」
与一
「わっ」
そうと決まれば彼は早い。
持っていた茜の首を与一に投げ渡して優に近づいていく。
フェリド
「これ持ってて。割ると茜ちゃん腐っちゃうから気をつけてね」
与一
「…!!」