第17章 地下都市の終焉
彼の中では今何が起きているのかは想像もできない。
優一郎
「ち、違う。止まれ鬼…殺…止ま…殺す…殺す殺す殺す!」
ミカ
「くそ鬼が…!!優ちゃんを解放しろ!!」
ただ分かるのは鬼と混じりあった心と優本来の心がぶつかり合い、苦しんでいるという事だけだ。
シノア
「みっちゃん!!鬼の拘束呪符は!?」
三葉
「持ってる!」
シノア
「優さんを抑えます!!」
女2人が札を取り出し優へと走り出す。
鳴海
「暴走は呪符じゃ抑えられないぞ!!」
与一
「でもやらないと!!」
君月
「…おい」
人間達が焦る中、冷静な奴がいた。
君月は僕の方を見ている。
君月
「一時休戦でいいか?お前らも話し合いに来たんだろ?」
クローリー
「まあ僕はいいけど」
恐る恐る言われた申し出だが、残念ながら僕に決定権は無い。
僕はフェリドくんに言われてやっているだけだ。
この状況を楽しみ続けるフェリドくんを見ると、君月も彼を見た。
君月
「お前はそれでいいか…?」
フェリド
「僕もいいよ〜」
あっさりと受け入れたフェリドくん。
それに人間達はホッとしていた。
フェリド
「君らじゃあれは止められない。でも僕は止める薬を持ってる」
シノア
「え…」
フェリド
「さあどうしよう?」
フェリドくんはケースを取り出すと、薬が入っている注射に指をかける。