第6章 4年前
ミカ
「よろしくね!」
優一郎
「なっ…!!」
今まで関わった事が無いタイプの人間に動揺し、手を振りほどく。
握られていた手が離れた。
優一郎
「あ……」
それを見て動揺したとはいえ流石に酷い態度だったと反省する。
だが、よく見るとミカはなんとも思っていないように思えた。
ミカ
「これは早くもここのリーダーが誰かを決める勝負を挑まれたのかな〜?」
優一郎
「は?」
ミカ
「リーダーは僕だよ!でも仲良くしてあげるね」
これを聞いて反省した事を後悔した。
ミカエラはこちらの話など聞いていないのだ。
反省するだけ無駄だった。
ミカ
「はい、よろしくね」
優一郎
「てめえ上等じゃねーか!!」
全く話を聞かずに笑顔で言われ、頭に血が上る。
そして拳を握りしめてミカエラへと突っ込んだ。
噛み合わない会話、自分とは全く違う性格。
それらが合わさって、蓄積されていた苛立ちが爆発したのだった。
*****
ミカエラに殴りかかったのは俺。
だが、数分後にはボコボコにされて床に転がっていた。
院長
「ケンカはだめですよ、ミカくん」
ミカ
「ケンカじゃありません、今仲良くなってる最中でーす」
パンパンとホコリを払うかのように手を叩きながら、注意をしてきた院長先生と笑顔で話している。
優一郎
「くっ…」
ミカ
「あ、改めまして優ちゃん」
呻き声をあげながら起き上がると、ミカエラがこちらへと来る。
そして先程と同じように俺に向かって手を出した。