第17章 地下都市の終焉
寧ろ逃げた事に気づいたらさっさと殺して追いかけてくる可能性すらある。
ミカ
「でも今の僕らにはどうにも出来ないよ。行こう優ちゃん」
優一郎
「ミカ、俺は逃げない」
俺の腕を掴んで行こうとするが、俺の足は動かない。
ミカ
「ダメだ、捕まったら終わりなんだ優ちゃん。また家畜に戻る事になる」
優一郎
「でも逃げてどうなる?」
あの時、地下都市から俺は逃げた。
その結果は残酷だ。
優一郎
「茜達は殺され、お前は吸血鬼にされた。それにアリスも…」
ミカ
「それは優ちゃんじゃなくて僕の…」
優一郎
「お前のせいじゃない」
ミカの言葉を遮って否定する。
あれは誰も予想出来なかった事で、ミカのせいでは無い。
優一郎
「生まれる前から俺達は何かの計画に巻き込まれている。だから逃げる度に仲間や家族が殺される」
孤児院の皆、天使によって殺された鳴海の仲間。
俺を孤児院に連れていった男、天使となった君月の妹。
アリスにミカ、そしてグレン。
計画によって巻き込まれた人達、そして巻き込んだ人達を思い浮かべる。
優一郎
「もううんざりなんだ。そろそろ運命に抵抗したい」
ミカ
「…でも僕が考えなしに抵抗したから家族を殺されたんだ」
優一郎
「違う!!」
今でも責任を感じているミカ。
でもそんなミカの行動のお陰で俺は未来をもらえた。