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罪と罰【終わりのセラフ】

第17章 地下都市の終焉




(優一郎side)


戦う皆を少しだけ離れた位置から見ていて思った。


優一郎
「ダメだ、これ多分勝てないな」

ミカ
「優ちゃんも分かるの?」


横にいるミカもその事に気づいている。


優一郎
「ああ、あいつ遊んでるんだ」


あの吸血鬼は初太刀で三葉を殺せた。
君月の事も、与一も殺せたに違いない。
でも殺していない。


ミカ
「多分フェリドが来るまでの足止めだ。奴らは何かを企んでる」

優一郎
「…フェリド」

ミカ
「巻き込まれたら終わりだ」


ここにフェリドまで来ると状況は更に悪くなる。
今でも勝ち目がないのに奴まで来ると本当に終わりだ。


ミカ
「もう逃げよう。僕らだけなら逃げ切れる」

優一郎
「仲間を捨ててか?あいつの目的は俺だ」


それを分かっていてシノア達は戦ってくれている。
俺達をいつでも逃げれる後方に配置して、自分達は勝ち目のない前線だ。

これだけでも充分逃げられないが、もう1つ。
あの吸血鬼の屋敷にはアリスもいた。
なぜフェリドではなく、あの吸血鬼がアリスと一緒にいるのか。
それを確かめるまでは絶対に逃げられない。


ミカ
「優ちゃんが逃げ切れば彼女達はもう襲われない」

優一郎
「殺されたら?」


俺達が逃げたからといってシノア達を殺さずに放置する可能性は低い。
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