第16章 名古屋決戦
フェリド
「ふふ、お祭りだよ」
予定通りに事が運んでいるのだろう。
いつも以上にご機嫌なフェリドくん。
クローリー
「アリスはどうする?」
フェリド
「うーん」
フェリドくんは血の匂いで怪我に気付いていたらしく、被せていたローブを捲った。
それだけで辺りに血の匂いが広がる。
フェリド
「うわー派手にやってるねぇ」
出血量などを確認すると周りから隠す様にすぐローブ戻した。
フェリド
「この怪我が無かったら連れて行ったんだけどね」
クローリー
「こうなったのは誰のせいだよ」
フェリド
「あは、僕のせい」
笑っているが、分かっているのならまだいい。
そして今回は僕もフェリドくんと行かなくてはいけないので、アリスはフェリドくんの部下が屋敷へと連れて帰る事になった。
フェリド
「君でもミスると死んじゃうからね、気をつけてよ〜」
クローリー
「………」
僕でも死ぬかもしれない。
いったい今から何が起こるのだろうか。
全く予想ができないが、拒否権は無いので大人しく彼に続いた。
*****
(アリスside)
気がつくとお兄ちゃんの屋敷とは違う場所にいた。
「………」
状況が掴めず吸血鬼の気配を探るも、屋敷には子供しかいないようだ。
ここは恐らくフェリドの屋敷。
あの後優ちゃん達がどうなったのか。