第16章 名古屋決戦
クルル
「答えろ人間。お前は柊 真昼からの使者か?」
グレン
「…真昼はもう死んだ」
その答えを聞いたクルルの表情は冷たかった。
クルル
「ならお前は誰だ?」
グレン
「ははは」
クルル
「契約と違う」
壊れた様に笑うグレンに苛立ちを顕にしたクルル。
そして他の吸血鬼に聞かれたくないのか、声を落とした。
クルル
「私は世界崩壊前で柊 真昼と取引した。だがお前が柊 真昼ではないのなら手は組めな…」
グレン
「なら殺せよ」
挑戦的な笑みを浮かべるグレンにクルルは言葉を止める。
グレン
「でもお前は出来ない。どうせ後戻りできない所まで吸血鬼共を裏切ってるんだろう?」
吸血鬼の女王が吸血鬼を裏切っているという事実。
近くにいる僕やフェリドくんには聞こえているが、他の吸血鬼には聞こえていない。
グレン
「今日お前も終わりのセラフの実験を成功させる必要が…がはっ」
蹴られた事で倒れ込んだグレン。
グレン
「ははは!それでいい!さあ演技を続けろよ!!クルル・ツェペシ!!」
クルル
「…今人間が吐いた!!貴族を殺した人間共は名古屋空港に再集結している!!全軍移動するぞ!!」
吸血鬼達
「はっ!!」
指示を受けて動き始めた吸血鬼。
その様子を見ながらフェリドくんへと話しかける。
クローリー
「いったい何が始まるの?」