第16章 名古屋決戦
クローリー
「もちろん人間に情報漏らしてるのも君だろうし…」
フェリド
「心外な。僕は仲間を裏切るような奴が1番嫌いだって君は知ってるでしょ?」
クローリー
「へぇ〜、まあいいけどさ…」
いつも通り何も教えないフェリドくん。
だが、1つだけ許せない事がある。
クローリー
「君が僕の居場所を人間に売った事、これはどう説明する?」
僕は一応フェリドくんの派閥だ。
なのにフェリドくんは僕の事も売った。
フェリド
「でも楽しかっただろう?」
クローリー
「まぁ面白かったかな」
フェリド
「でしょー?感謝してよ〜」
楽しかったのは事実なので認めたが、それに感謝を求めるのはフェリドくんが情報を売ったという事になるのではないだろうか。
フェリド
「で、派閥内の君が襲われれば僕に疑いの目は向かない」
クローリー
「やっぱり君が黒幕じゃないか」
確かに僕が襲われた事により、フェリドくんを疑う者はいなくなった。
嫌な奴の派閥に入ってしまったものだ。
フェリド
「あはは、でも今回の事件は性格の悪い本物の黒幕が別にいるんだ」
クローリー
「ほう…誰?」
フェリド
「彼だよ」
彼と言って指差した方向にいたのはグレン。
クローリー
「とてもそんな風には…」
フェリド
「彼はね」
見えなかった、そう言おうとした僕の言葉をフェリドくんが遮った。