第16章 名古屋決戦
これはローブ着用の義務を知らなくては出てこない疑問だ。
グレン
「一般吸血鬼はローブ着用が必須で貴族は免除という情報があったからな」
クローリー
「へぇ…」
素直に話してくれた彼の言葉から確信が持てた。
やはり誰かが情報を流している。
最後にいい事を教えてくれた彼に内心感謝をした所で目的地へ到着した。
質問には答えられなかったが、仕方ないだろう。
吸血鬼2
「クローリー様、ご無事でしたか」
クローリー
「ああ。この人間を女王の元へ連れて行ってくれ」
吸血鬼2
「はい」
僕を見つけて声をかけてきた吸血鬼にグレンを引き渡すと状況を確認する為に周囲を見渡す。
第十八位始祖
「人間どもは北へ逃げた!!追うぞ!!皆殺しだ!!」
まず目に入ったのは苛立ちを隠せない貴族の姿。
つまり被害はそれ程までに酷いのだ。
クローリー
「被害は?」
吸血鬼3
「はい…」
詳しい事を近くの吸血鬼を捕まえて聞いた。
吸血鬼3
「では失礼します」
簡単に説明して立ち去った後ろ姿を見送って考える。
クローリー
「貴族は5人死亡、全員居場所がバレていた…か」
人間は誰から情報を得たのか。
グレンへと目をやると、ちょうどクルルの前に連れて行かれていた。
クルル
「………」
クルルは何も言わずにグレンの事を観察している。