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罪と罰【終わりのセラフ】

第16章 名古屋決戦




回らない頭でそんな場違いな事を考えてしまった。


鬼箱王
「一(ひ)、二(ふ)、三(み)、四(よ)」


君月が出した箱から聞こえ始めた不気味な声のカウント。


優一郎
「おお、君月!」


そのカウントが聞こえる方をぼんやりと見つめていると、優ちゃんが明るい声で君月の名前を呼んだ。
どうやら人間の区別はつくらしい。


君月
「角…?それにお前その吸血鬼…」


呼びかけられた君月は優ちゃんの角や、私の体を貫く刀を見て困惑していた。
私の事を家族と言っていたはずの優ちゃんが私を殺そうとしている。


君月
「………」


何かがおかしいと悟ったのか、グレンへと目を向けた。


グレン
「優は鬼に取り憑かれて我を失っている!連れて逃げてくれ!」

君月
「…!」


グレンに状況を聞き、瞬時に状況を理解した君月。
箱が告げるカウントが進む中、君月は優ちゃんへと語りかけた。


君月
「優…お前が言った事は正しい。こんな苦しい世の中じゃ、家族に執着しないで生きる意味なんてない」

優一郎
「俺のこの力があれば助けられるんだ!!」


噛み合わない話。
それでも君月は話し続けた。


君月
「だから俺もここでお前と…」

「…っ?」


そこで言葉を止めた君月がこちらを見て笑う。


鬼箱王
「七(なな)、八(や)」

君月
「お前の家族を守る」

鬼箱王
「九(く)らえ」
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