第16章 名古屋決戦
それを瞬時に理解したシノアが静かに告げると、優ちゃんは信じられない様に呟いた。
優一郎
「シノア、グレンが捕まったんだぞ…?」
シノア
「………」
シノアは悲しそうな顔を浮かべるが、何も言わない。
優一郎
「俺ら家族じゃなかったのかよ…」
チェス
「こいつらワーワーうるさいなぁ」
ホーン
「始末してよろしいですか?」
深夜
「…っ」
その様子を見ていた2人が焦れて、お兄ちゃんに許可を求めた。
2人の言葉に深夜はピクリと反応を見せる。
クローリー
「いや、これフェリドくん案件かもしれないんだよなぁ」
でもお兄ちゃんは許可を出さなかった。
フェリド絡みなら殺す訳にはいかないと分かっている2人は渋々黙る。
グレン
「…深夜」
これを最後のチャンスと思ったのだろう。
グレンが小さな声で呼びかけると、深夜は頷いた。
深夜
「指揮は僕が執る!撤退だ!!」
チェス
「あは、そんな簡単に逃がすわけ…」
深夜が撤退を告げると、チェスは退路を塞ごうと前に出た。
これでは逃げる事は不可能。
そう思われた時、状況が動いた。
グレン
「おい五士!助けに来てんだろ!!」
五士
「はあ?お前アホか、何バラしてんだよ」
グレンが外に向かって叫ぶと、窓から複数の人間が入って来る。
グレン
「俺はいいから他を逃がせ!!」