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罪と罰【終わりのセラフ】

第16章 名古屋決戦




ではあの時の化け物は優ちゃんだったという事になる。

なぜ優ちゃんがあんな風になってしまったのか。
そんな事を考えていたら力が入ったのだろう。
君月の首元にほんの少しだけ刃がくい込んだ。


君月
「くっ…」

「あ」


君月の呻き声を聞いて考える事をやめる。
これは今考えても答えは出ない。
それよりもこの状況をどうするのかを考えるべきだ。


クローリー
「………」


でも肝心のお兄ちゃんが考え込んでしまっている。


「お兄ちゃん」


こうなったら動かないのは分かっているので、一応声をかけた。


クローリー
「…ちょっと妙な展開になってきちゃったな」


私の声に反応してそう呟くが、やはり動く気配は無い。
それを見た深夜は優ちゃんにグレンを捨てて撤退する事を伝えた。


優一郎
「ふざけんな!!」


あの優しい優ちゃんの事だ。
そう言うだろうと私も思った様に仲間達も分かっていた。


気の弱そうな男
「優くん、ここは深夜さんの言う通りにしないと…」

深夜
「!」


何とかして説得しようとしていたが、タイムリミットの音が鳴る。
すぐ近くから聞こえてきたのはヘリコプターのローター音。


深夜
「くそ!もう敵の増援が…!」

シノア
「優さん、撤退です」


ここに増援が来たら彼らは死ぬ。
逃げていいと私達は言ったが、増援に殺されるに違いない。
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