第16章 名古屋決戦
お兄ちゃんの立場を悪くする訳にはいかないし、なにより殺らなきゃ殺られる。
優一郎
「くっ…開け!!阿修羅観音!!」
優ちゃんは私の事を一目見ると、お兄ちゃんを睨みつけて叫んだ。
その直後、優ちゃんの目の前にはたくさんの刀が現れる。
クローリー
「やるね」
自身にあれだけの刃が向いているにも関わらず、尚も笑い続けるお兄ちゃん。
何故そんなに余裕なのか。
それは彼女達の気配に気づいていたからだろう。
ホーン
「クローリー様!」
チェスとホーンは一瞬でお兄ちゃんと刀の間に入ると、それぞれ武器を取り出す。
2人はあっという間に刀を打ち落とすと、反撃に出た。
君月
「下がれ!!」
気の弱そうな男
「うわわ」
気の強そうな女
「天字竜!!!盾になれ!!」
私が捕まえている男が叫ぶが、前衛の人間は対応出来ない。
それを見て後方にいた人間が鬼呪装備を使い攻撃を防いだ。
グレン
「バカ野郎何しに来た!?命令を守れ!即時撤退…」
クローリー
「はい、少し黙って〜」
グレン
「がはっ」
吸血鬼と人間が対峙したのを見てグレンが叫ぶが、お兄ちゃんに蹴られてそれ以上は声にならない。
優一郎
「グレン!!」
クローリー
「あれ…君さ、新宿で暴走した子でしょ?」
「…!」
お兄ちゃんは声を出した人間、つまり優ちゃんを見てそう言った。