第16章 名古屋決戦
そして激しい斬り合いが始まった。
グレン
「うへぇ…強ぇ…」
斬りあっているとはいってもお兄ちゃん優勢。
本気を出している様でもないので手助けはいらないだろう。
近くにいて巻き込まれるのも嫌なので少し距離を取る。
グレン
「だが、お前は終わりだ」
「!」
その言葉に振り返ると、お兄ちゃんの剣を受け止めているグレンの反対側に銃を構える人間。
深夜がいた。
深夜
「はい、チェックメイト」
放たれた何発もの銃弾。
当然の結果だが、それは1発も当たらない。
クローリー
「ははっ」
グレン/深夜
「…っ!」
楽しそうに笑いながら戦うお兄ちゃんに、全く効いていない攻撃。
それに動揺を隠せない2人にお兄ちゃんは攻撃の手を緩めなかった。
クローリー
「よっと」
グレン
「!!」
深夜
「え」
お兄ちゃんはグレンの足を掴みそのまま深夜へとぶつける。
遠心力も加わり、思い切りぶつかった深夜とグレンは部屋の中へと飛ばされた。
私の横を通り過ぎ、壁へと突っ込む2人。
人間
「グレン様!!!」
下にいる人間の叫び声が聞こえるが、誰かが来る気配は無い。
誰も来ないなら警戒するのはこの2人だけだ。
むくりと起き上がった2人は当然怪我をしている。
「…痛そ」
深夜
「あはは…、これ死ぬかな?」
グレン
「…いや作戦通りだ」