第16章 名古屋決戦
襲ってきたら殺す、それだけだ。
クローリー
「でもフェリドくんはいちいち知りたがるから少しは情報収集してあげないとなぁ」
チェス/ホーン
「………」
その呟きを聞いたチェスとホーンは顔を見合わせ、あからさまに嫌そうな顔をした。
チェス
「私フェリド様は何考えてるか分からないから嫌いですぅ」
ホーン
「私もです」
「ふふ、嫌われてるね」
この2人がフェリドの事をよく思っていないのを見て、思わず笑ってしまう。
フェリド派閥の吸血鬼ですらこう言っているのだ。
彼の事を好いている吸血鬼なんて存在するのか不思議な所だ。
クローリー
「はは、そう?」
お兄ちゃんもその反応が意外だったのか笑っている。
クローリー
「でも彼と付き合ってると退屈しないからねぇ」
チェス
「…えー」
チェスとホーンは理解ができないみたいだ。
でもお兄ちゃんの言いたい事も分かる。
半永久的に死が訪れない吸血鬼にとって彼の様な存在はとても面白い。
「じゃあフェリドの為に情報収集しなきゃいけないんだね」
クローリー
「そう、だから情報を持っていそうな向こうの指揮官だけ捕らえればいい」
「それ以外は?」
クローリー
「邪魔になるようなら殺せ」
つまり狙いは指揮官。
それ以外は邪魔にならない限り無視という事だ。
クローリー
「よく指揮官を見極めろよ」