第16章 名古屋決戦
「了解、これ以上血が流れたら笑えないからね」
優ちゃんと一緒にいた人間達のスピードなら躱す事は簡単だ。
こんな所で死ぬ訳にはいかないので今まで以上に気をつけて戦う事になる。
クローリー
「これで話は終わり。アリス、おいで」
「?」
話が終わり、気を抜くとお兄ちゃんが私を呼んだ。
なぜ呼ばれるのか分からないまま近づく。
クローリー
「血、足りてないんだろ」
お兄ちゃんはそう言って手袋を外して袖を捲った。
そういえば血を飲まなくてはいけない程危険な状態だった事を血の欲求が少ないせいで今頃思い出す。
「じゃあ少しだけ…」
クローリー
「どうぞ」
「んっ…」
遠慮なく顕になった腕へと牙を立てた。
一瞬ピクリと反応するが、慣れているからかそれ以上反応は無い。
これから戦闘を控えているので吸いすぎない様に、そして急ぎ目に血を分けてもらう。
その時、異変が起こった。
クローリー
「ん?」
「っ…?」
お兄ちゃんと私、ほぼ同時に何かを感じ外に目を向ける。
そして私が腕から口を離すのとその何かが攻撃してきたのはほぼ同時だった。
窓に当たった何かはそのまま窓と壁を破壊して部屋へと侵入する。
クローリー
「何この鳥」
だが、その破壊力がある攻撃もお兄ちゃんの前ではただの鳥だ。
あっさりその鳥型の攻撃を掴んでしまうお兄ちゃん。