第16章 名古屋決戦
「注意事項?」
クローリー
「主に君のね」
私の目を見ながらそう言ったお兄ちゃん。
戦い慣れしていない為、注意事項とやらを教えてもらえるのはありがたい。
クローリー
「まず1つ目、人間を斬ることに躊躇はするな」
戦場では躊躇すると死に繋がる。
だからこの事はお兄ちゃんとフェリドに何度も言われてきた。
「うん、それは何度も言われてるから分かっている」
クローリー
「そうだね、今回は初めての任務でもないしそこの心配は要らないか」
他の感情が欠落した吸血鬼と違って一々心を痛めてしまう私だからこその遠回しの注意。
これはそう取っていいだろう。
初めての任務ではないのだからそろそろ慣れろ。
お兄ちゃんは基本スパルタだからこう言いたいのだ。
クローリー
「2つ目、僕の許可が無い限り吸血鬼は絶対に殺すな」
「それってルカル・ウェスカーの事言ってるの?」
クローリー
「いや、それは関係ないよ」
それなら大人しく頷く事ができる。
「それはこれからずっとって事?」
クローリー
「これからずっと」
「分かった」
殺したかった吸血鬼はフェリドくらいなので別に構わない。
寧ろ殺さなくて済むのならそちらの方が私としても助かる。
だからそれも素直に了承した。
クローリー
「そして最後、鬼呪装備の攻撃だと傷が全然治らない。なるべく躱す事」