第16章 名古屋決戦
そして情報を流している吸血鬼も考えれば予想はできるだろう。
「日本の吸血鬼だね」
チェス
「何で日本の吸血鬼だって分かるんですかぁ?」
私とお兄ちゃんの会話を止めたのはチェス。
これでお兄ちゃんが2人をここに呼んだ理由が分かった。
既に話を聞いているのなら呼ぶ必要はない。
だが、こうして理解していない部分があるであろう2人に色々と把握させる為にこの場を設けたのだと思われる。
それなら私もお兄ちゃんの望む通りに答えるまでだ。
「よく考えると簡単だけど日本だけなの。ここまで人間が強くなってるのは」
チェス
「ああ!なるほど…!」
納得してくれた様なので話を続けよう。
日本の上層部となると首謀者候補は2人。
「クルル・ツェペシとフェリドか」
クローリー
「その可能性が1番高いだろうね」
「まあ情報を流してる吸血鬼が黒幕だとは限らないから重要視する必要はないんじゃないの?」
今が屋敷でのんびりしている時ならば色々考え合っただろうが、そんな場合ではない。
あまり人間が来るのでゆっくりしていられない。
丁度手当も完了したのでこの話はこれで辞めておくべきだ。
「ホーン、ありがと」
ホーン
「いえ…構いませんが」
肩を軽く回すとさっきよりは動きやすい。
お礼を言って立ち上がる。
クローリー
「じゃあ人間が来る前に注意事項でも言っておこうか」