第16章 名古屋決戦
お前も、という事は優ちゃんとミカは再会しているという事だ。
なら少し位はいいのかもしれないと都合良く考え、私は振り向く。
「そうだよ、優ちゃん」
優一郎
「…っ!」
「わ…」
私の答えを聞いた後、優ちゃんは飛びついて来た。
何とか受け止めると優ちゃんは泣きながら私を包み込む。
優一郎
「良かった…」
少し戸惑いはしたが、抵抗せずに受け入れた。
肩に顔を埋めた優ちゃんはあの時より背が伸びていて、それだけ月日が経ったのだと実感させられる。
「………」
でもこういう時間に限って長くは続かない。
少し離れた位置から殺気。
この感じはすぐに遠距離攻撃が来るだろう。
優一郎
「え…?おい!」
攻撃前に気づけたから私なら余裕で避ける事ができるが、私が避けたら優ちゃんに当たる。
そう判断して優ちゃんを突き飛ばすと、そのまま攻撃を受けた。
「……うっ」
痛みは強いし、全く傷が修復する気配がない。
つまりただの武器ではなく鬼呪装備だ。
優一郎
「おい!やめろ!!」
優ちゃんが必死に叫ぶが、人間は無視をして私に遠距離から攻撃を続ける。
これ以上ここに留まると死ぬ。
「くっ…」
最後に優ちゃんと深夜を見てから痛む体に鞭を打ち、私は逃亡した。
優一郎
「あいつは俺の家族なんだ!!!」
そんな悲痛な叫びを耳にしながらただ走る。