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罪と罰【終わりのセラフ】

第16章 名古屋決戦




「でもここに来てるのならいつか戦うかも」

深夜
「ということは君は名古屋の吸血鬼なの?」

「さあ」


その情報は教えない。
だから短く言った。


深夜
「1つ聞いてもいいかな?」

「答えられる範囲でなら」


そう答えると、深夜は私の方へ近づいて来る。
そんな行動に動揺したのは私では無く人間達。


気の弱そうな男
「深夜さん…!」


武器も構えずに吸血鬼へと近づく深夜に、人間は深夜を咎める声を上げていた。
でも深夜は大丈夫とでも言う様に笑って頷き、歩みを止めない。


「………」


深夜の狙いは何か。
そしてずっと黙ってこちらを見ている優ちゃんは私に気づいているのだろうか。


深夜
「アリスちゃん」

「え…」


そんな風に気を取られてたからか、気がつくと深夜は目の前にいた。
そして私のフードを軽く持ち上げ、私の顔が顕になる。


優一郎
「…!!」

「ちょっと!」


深夜の手を振り払って飛び退くが、もう遅い。


シノア
「今、目が…」

鳴海
「左右の瞳が違う吸血鬼だと…?」

「…ちっ」


完全に見られてしまった。
同じ吸血鬼にでさえ見られない様に気をつけているのに人間、しかもこいつらは日本帝鬼軍。

吸血鬼以上に厄介な事になる。


「何がしたいの」

深夜
「………」


自分でも驚く程の低い声。
だが、深夜は怯まない。
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