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罪と罰【終わりのセラフ】

第16章 名古屋決戦




ルカル・ウェスカー
「何故…貴族が…」


私が階級を名乗るとルカル・ウェスカーは大人しくなる。
これが吸血鬼の世界、完全な実力世界だ。

それに彼にはもう時間が無いのだろう。
呟いた言葉にもそんなに力が残っていない。


「冗談だよ」


だからこれ以上はもう責めなかった。
そもそもこの状態から生かす方法も知らなければ、吸血鬼の拷問方法など調べた事もない。


「はいこれ」

ルカル・ウェスカー
「…手紙」

「そう、クローリーからの手紙」


ようやく本題に入り、もう動かない体の上に手紙を置いた。


「確かに渡しましたから」


そう言って微笑む。
それと同時についに力尽きたルカル・ウェスカーの体は灰となって消滅した。

あっという間に消えた長年生きてきた命。
呆気ない、そんな事を思いながら手紙を回収して灰の上に渡されていた写真を置く。

そして人間がやる行為を思い出し、手を合わせた。
吸血鬼がやる事ではないからかなりおかしな光景だろう。


「………」


そんな事を考えていると、何かが来る。
そう感じて素早く避け、その何かを出した人間の首元に短剣を突きつけた。


「死にたいの?」

槍のような装備の男
「くそっ!」


私は手紙を持ってきただけで戦う気は無い。
なのにこの人間は攻撃を仕掛けてきた。
これは一応貴族として戦わざるを得ないだろう。
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