第16章 名古屋決戦
つまり彼を助けるかどうかは私の判断で決めていいのだ。
ルカル・ウェスカー
「皆殺しにしてやる!!この家畜共があああああ!!」
シノア
「来ますよ!!」
「………」
手を貸すか悩んでいると、ルカル・ウェスカーは簡単に人間の挑発に乗ってしまった。
メガネの男の後ろで複数の人間が構えている事に気づかず、冷静さを失ったまま突っ込んでいく。
その様子に呆れたのと、人間の中に優ちゃんがいる事に気づいた私は傍観者としてこの戦闘が終わるのを待つ事にした。
ルカル・ウェスカー
「!」
後ろにいた人間達に近づいてから気づいたルカル・ウェスカー。
その瞬間、僅かな隙が生まれた。
優一郎
「死ぬのはお前だ、吸血鬼」
その隙を見逃すはずもなく、優ちゃんがルカル・ウェスカーの胴体を斬り裂いた。
第十五位の貴族ならもう少し戦えたはずだが、この吸血鬼の敗因は人間に負けるはずがないという傲慢さ。
ルカル・ウェスカー
「ぐ…あ…傷が…修復しない…」
槍の様な装備の男
「鬼呪だ。お前らは人間に殺される」
ルカル・ウェスカーの傷口からは煙が上がっている。
あれではもう助からない。
だから彼が死ぬ前に頼まれ事を済ます為に動き出す。
ルカル・ウェスカー
「私が…第十五位始祖である私が…人間ごときに殺されるはずが…」
「良かったね、最後に勉強になったでしょ」