第16章 名古屋決戦
そしてこの吸血鬼には従者の様に連れている吸血鬼がいるらしく、今日もその吸血鬼と出かけたらしい。
恐らくいると思われる場所は教えてもらっているので、そちらへと向かっていた。
手紙を懐にしまい、言われた通りに歩くと前方に広場が見える。
だがそこで違和感を覚えた。
「従者は1人のはず…」
広場からは見えない位置で立ち止まり、集中すると感じるのは複数の気配。
つまりすぐそこでは何か想定外の事が起きているのだろう。
でも私は行かなくてはいけないので、顔を隠すためのフードを被り歩みを進めた。
「…吸血鬼の血の匂い」
近づくと微かに香る匂いに違和感を覚えた理由が判明する。
この広場で血を流している吸血鬼がいるはずだ。
感ずかれないように気配を消して様子を伺う。
ルカル・ウェスカー
「やめておけ人間。私を怒らせるな」
目的の吸血鬼はすぐに見つかった。
こいつが第十五位始祖のルカル・ウェスカー。
メガネの男
「はは、怒る?腕返して欲しかったら返してくださいって懇願しろよ」
ルカル・ウェスカー
「…貴様ら」
どうやらルカル・ウェスカーは日本帝鬼軍の人間に襲われているようだ。
彼らの足元に灰の様な物がある事から従者は殺された、又は盾として使われたと見て間違いないだろう。
「…どうしよ」
私の頼まれた事は手紙を届けるというお使い。