第16章 名古屋決戦
フェリド
「クルル様にはそんな命令が下っていたのですか。それは初耳」
僕達百夜孤児院の子供を保護したのはクルル。
でもクルルは殺すように命令されていた。
クルルは命令に逆らってまで僕達で何をしようとしていたのかと疑問に思うが、さすがに口を挟めない。
ウルド・ギールス
「では何故こんなにも研究が進んでいる?日本には百夜教を除いてここまで研究が進んでいる組織はなかったはずだ」
事の成り行きを見守っていると、今まで黙っていた男が話し出した。
この男は今の上位始祖の中で1番強い第二位始祖の吸血鬼。
フェリド
「まぁ最近の人間は侮り難いですからねぇ…」
フェリドはそんな相手にも怯える事なく答える。
でもそれ以上は話を広げたくないらしく、フェリドが話題を変えた。
フェリド
「確かヨーロッパの方でも終わりのセラフの実験をしていた人間の魔術組織があったんでしょう?」
レスト・カー
「そこは僕が皆殺しにしたよ」
外見だけだと僕よりも若く見える第三位始祖のレスト・カーがフェリドの質問に答える。
そして口角を上げるとクルルの方を見た。
レスト
「でも、もし日本の管理に失敗していたなら…クルル。これは大きな責任問題に…」
クルル
「黙れレスト・カー。それは私に喧嘩を売っているのか?」
言い終わる前に言葉を被せたクルル。