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罪と罰【終わりのセラフ】

第5章 フェリド・バートリー





ゴンッと鈍い音が響く。


ミカ
「いてっ」

優一郎
「もういいよ!じゃあ血でも何でもやれよ!!それで家畜みたいにブヒブヒモーモー言ってろ!!」


優ちゃんは啖呵をきり、捲し立てた。
そしてそのままこの場を立ち去ろうとする。
それをミカが呼び止めた。


ミカ
「あ…お金もらったら優ちゃんにも何か買ってあげるよ、何がいい?」

優一郎
「いらねえよ!!」

「ちょっと優ちゃん!」


1度怒るとしばらくこの調子のまま。
その性格を分かっているとはいえ、優ちゃんの後ろ姿を見つめるミカはとても悲しそうだった。

優ちゃんの気持ち、ミカの気持ち、両方考えて私は追いかけるべきか悩む。
そして思い出す。

ミカが殴られていた事に。


「ミカ頭大丈夫?」

ミカ
「大丈夫だよ、でもその言い方は僕の頭がおかしいみたいじゃん」


この空気を何とかしようとミカはいつもの調子で答えた。
ミカはいつも通りに出来ていると思っているだろうが、無理をしている事は一目瞭然だ。


「無理しないで、私に気を遣うならしばらく1人にしようか?」


その言葉に少し驚いたように目を見開いた。
そして、ため息をつく。


ミカ
「ふぅ…やっぱりアリスには優ちゃんと違って誤魔化せないか」


そう言うと共に貼り付けていた笑顔をやめて、悲しげに微笑んだ。
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