第15章 特異な存在
深夜
「さすが柊が仕込んだスパイ達だね」
グレン
「そう言うお前も柊だろ」
深夜
「まあね、こういう事には全く関わってないけど」
深夜が知っているのは子供をスパイとして吸血鬼の元へ送り込んでいる事だけだ。
特に詳しく聞いてこないので教えていないが、深夜自身も関わりたくないらしい。
グレン
「で?俺は何をすればいい」
暮人
「お前は黒鬼装備を増やしたろ?その実力でも試してこいよ」
グレンの顔が少し歪む。
グレン
「結局捨て駒かよ」
暮人
「俺はこんな重要な任務に捨て駒を出すほど馬鹿じゃない」
普通ならグレン程の実力者は前線に出さない。
だが1ヶ月後に吸血鬼の本隊が東京に攻めてくるという情報が事実なら、そうするべきだ。
後手に回ると人類は終わる。
それを避ける為にも貴族を片っ端から潰していくのが今回の任務。
暮人
「グレン、お前は例の黒鬼3人と吸血鬼殲滅部隊100人を引き連れて名古屋に行け」
深夜
「名古屋、ね」
グレンが行くのなら同じ班という扱いになる深夜も行く事になる。
場所を聞いて何か考え始めた深夜を横目にグレンは更に情報を求めてきた。
グレン
「そこに何がある?」
暮人
「貴族が10匹、拠点を作ってる」
グレン
「その拠点を奪うって事か」
暮人
「そうだ」
そこまで話すとグレンの顔が曇る。