第15章 特異な存在
こうして話が終わった頃、タイミング良くノックの音が響く。
葵
「失礼します」
グレン
「………」
葵の後ろにいる仏頂面を浮かべる男。
そいつに向けて笑みを浮かべる。
暮人
「躾られた犬の様にちゃんと来たな、グレン」
グレン
「はっ、お前が命じたんだろ」
暮人
「相変わらずクソ生意気な奴だ」
俺にこんな口を聞く奴はまずいない。
だからこそ面白くて置いているのだが、俺相手じゃなかったら奴は殺されていてもおかしくないだろう。
グレン
「…それで?何の用だよ」
早く要件を話せと訴えるグレンだが、深夜が話したからもう用はない。
暮人
「そうだな…」
グレン
「用がないのに呼んだのかよ」
深夜を見て状況を察したのか、グレンは顔を顰めた。
暮人
「いや、呼び出した当初の理由は無くなったが他の用がある」
次の任務について先にこいつらに話しておくのもいいかもしれない。
そう考えて机に広げた資料からこの任務について該当する物を選んでいく。
暮人
「吸血鬼はまた攻めてくる。だから今度はこちらから攻めようと思う」
深夜
「それ勝算あるの?」
最もな疑問。
人員不足が激しい今、戦力を無駄にできない。
だが何の考えもなく言う訳が無い。
暮人
「現在日本には貴族が25人、その居場所もすでに分かっている」