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罪と罰【終わりのセラフ】

第15章 特異な存在





「はい」


葵は俺の命令に従い、すぐに部屋を出ていった。
1人残された部屋で考える。


暮人
「………」


報告にはその女の吸血鬼は何かの任務帰りにとある事が起きていた。
この報告を子供が書いた日付けから推測するに、任務の内容は深夜が指揮をした美祢市奪還作戦の阻止。

美祢市奪還作戦での生存者は指揮官を務めた柊 深夜ただ1人。
情報では少数しかいないはずだった吸血鬼だが、待ち構えていた1匹の貴族により隊は壊滅。
任務は失敗に終わった。

この任務記録を見て思った事は1つ。


暮人
「この状況で深夜が生き残る事は不可能」


そしてその貴族が今回の吸血鬼ではないかと俺は予想している。
もしそうなら深夜は対峙して何か気づいた事があるはずだ。

1人だけ生存した事に関してもまだ問い詰めていないので良い機会だ。
それもまとめて話させる。

ただあいつはすぐに情報を吐く様な人間ではない。


暮人
「グレンも呼ぶべきだな」


深夜がグレンに話している可能性は充分にある。
グレンなら仲間を人質に取ればすぐに話す。
聞いていなかったとしてもその状況になれば深夜も話す。

あいつらは仲間を見捨てれない。



「暮人様」


考えが纏まった時、部屋をノックする音と共に葵の声が聞こえた。


暮人
「入っていいぞ」


「はい」

深夜
「失礼します」
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