• テキストサイズ

罪と罰【終わりのセラフ】

第15章 特異な存在




フェリド
「時が来たら教えるよ」


あれだけ悩んで出した結論は情報を教えないという事だった。



*****



(暮人side)


暮人
「ほう…なるほどな」


手元にある資料を読みながら思わず呟く。
その声に傍で控えていた1人の女が反応した。



「暮人様…?」


三宮 葵(さんぐう あおい)。
葵は優秀な部下だから俺が言わない限り聞き出そうとはしない。

でも今回の事は別に話してもいい事だ。


暮人
「潜入しているスパイが興味深い事を書いている」


「どの子ですか?」


紅茶を準備していた手を止め、近づいてきた葵。


暮人
「第七位始祖のフェリド・バートリーに取り入っている奴だ」


血を差し出す子供なら来る者拒まず受け入れる変わり者の吸血鬼。
この吸血鬼は他の吸血鬼に比べて特に情報が少ない。



「では貴族について何か分かったのですか?」


貴族の情報。
それはほとんど手に入らない貴重な物だ。

だからか葵は少しだけ期待している様に見えた。


暮人
「恐らく貴族だ」


「…恐らく?」


報告はフェリド・バートリーの元にいるスパイからだが、情報は別の吸血鬼。
フェリド・バートリーの屋敷に住んでいる女の吸血鬼に関する重要な情報だ。

ただこれを話すにはまだ役者が足りない。


暮人
「葵、深夜を呼んでこい」
/ 646ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp