第15章 特異な存在
それを伝える為に聞くと、2人は頷いて言葉を待っている。
「私、深夜が逃げきれない可能性も考えてた。捕まったら拷問される前に殺すつもりだったから」
クローリー
「そう?ならいいけどね」
フェリド
「まだ人の心を持ってる子が言うセリフだと思えないねー」
言い訳だと責められる覚悟をしていたが、反応は意外なほどいつも通りだった。
この2人はこういう人だと分かっていても少し怖かったのかもしれない。
そんな事を思いながら今回の任務についての話は終わった。
*****
クローリー
「ねぇフェリドくん」
アリスの部屋を出てすぐにどこかへ行こうとした彼を呼び止める。
フェリド
「んー?」
クローリー
「何も知らないって嘘だろ?」
僕の質問を聞いてフェリドくんは笑った。
これは確実に何か知っている。
恐らくだった考えが確信に変わった。
フェリド
「なんでそう思うんだい?」
クローリー
「こんな前例もない事態なのにフェリドくん焦ってなさすぎだから」
フェリド
「あはは〜」
やはり否定しない。
流石に何百年も一緒にいるだけあって少しは分かる。
クローリー
「で、あれ大丈夫なの?」
フェリド
「大丈夫だよ」
間髪入れずに答えたフェリドくん。
それをアリスに伝えてやれば安心するだろうに言わない所が彼らしい。