第15章 特異な存在
「うん」
フェリドも見た瞬間驚いていた。
どんな風になっているのか、私はまだ鏡を見ていないから分からない。
フェリド
「面白くなってきたね」
「…ん?」
フェリド
「いーや、独り言だよ」
はっきりとは聞こえなかったが、フェリドの事だからこの状況を楽しんでいるのだろう。
それはいつも通りの事だ。
普段なら腹立つのだが、今回ばかりはそんないつも通りのフェリドに救われた。
*****
部屋に入り、周囲に誰もいない事を確認して扉を閉める。
そのまま私はベット、フェリドはソファの背もたれに腰掛けた。
フェリド
「最初に言っておくとその目について僕は何も分からない」
「…そっか」
フェリド
「うん、前例がないからね」
他の吸血鬼は知らなくてもフェリドなら少しだけでも知っているだろう。
そう思っていたが、ダメだった。
「じゃあもう戻っていいよ」
フェリド
「そんなに追い出そうとしなくてもいいだろう?それにまだ言わなきゃいけない事あるんじゃないかな〜?」
「…知らない」
このまま触れないつもりだったが、フェリドを誤魔化すことは出来そうにない。
フェリド
「分かってるくせに〜。なんでアリスちゃんは血を飲んだのかな〜?」
やはり目の色が赤くなっているから人間の血を飲んだ事に気づかれている。