第14章 任務
「……はぁ」
レーネ
「…?」
これではきりがない。
「帰るね」
ラクス
「は?ちょっと待っ…」
これ以上待ってると屋敷につくのが遅くなってしまう為、ラクス達を放って歩き出した。
ラクスの声を背で受けて今日の任務の事を思い出す。
統率が取れていなかった日本帝鬼軍。
新宿で戦った軍とは全く違う印象。
「…おかしい」
そう考えると違和感を感じざるを得なかった。
いくら少数の吸血鬼しかいないという情報で来たとはいえ弱すぎる。
それに、司令塔もいなかったように思う。
「!」
足を止めて、日本帝鬼軍が現れた方向へと視線を向けた。
ラクス
「どうした?」
「静かに…」
突然の行動に首を傾げる2人に口元に当てた人差し指を見せ、目を閉じる。
耳を澄ませていると、本当に僅かな金属音がした。
「…いた」
音から考えて生き残っているのは1人。
そしてここまで気配を消せている事から相当強い人間だという事が分かる。
ラクス・レーネ
「?」
この2人が気づく前に人間がいる方へと向かう。
私が近づいている事に気づいた人間の緊張が伝わってきた。
逃げられてはまずいので一気に距離を詰める。
?
「……なっ!!くそっ!」
隠れていたのは1人の男。
気づかれてしまった事で冷静さを失っても仕方ないのに、彼は私へ銃を向けてきた。