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罪と罰【終わりのセラフ】

第14章 任務




「何か用でも?」


チェスだけでも大変なのに、任務地に着いてまで他の吸血鬼に絡まれたくない。
そんな気持ちを込めて素っ気なく聞いた。


ラクス
「いや、やっぱり最近まで人間だったから人間の気持ちがよく分かるんだなーって思ったんだよ」

チェス
「ねえ、あんまりアリスをいじめちゃダメだよぉ」


明らかに私を見下した発言。
それに私が言い返す前にチェスが釘を指した。

言い方は優しいが、目は笑っていない。
恐らくお兄ちゃんが選んだ人間である私が舐められる事が、部下として許せないのだろう。


ラクス
「いじめるなんてとんでもない。ただ純粋に興味があるだけですよ」


でもラクスは動じなかった。
チェスに敬語で丁寧に答えている。

つまりラクスは貴族には敬語で話すという事だ。


ラクス
「それで?免罪符ってどういう事だ」


私には敬語を使わない。
やはり私は認められていないし、舐められている。
ならば実力と頭脳の違いを見せてやるまでだ。


「1度しか言わないから1度で理解してよ」


ラクスやレーネはバカでは無さそうなので理解できるだろうが、敢えて挑発をして説明を始める。


「この前の新宿攻防戦で日本帝鬼軍は人員を失った。いくら吸血鬼から新宿を守ったとはいえ領土は増えていないのに人員は減った。そんな事が続いたらどうなると思う?」
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