第14章 任務
「!」
ラクス/レーネ
「………」
指揮官から彼らへと視線を移すと、彼らも私を見ていた。
その視線がまるで品定めをしているかの様に感じてしまうが、気のせいではないだろう。
レーネ
「まだ子供の癖によく挑発にのりませんでしたね」
「フェリドで慣れてるので」
案の定私の事を下に見て話してきたが、文句を言ったところで仕方がない。
そう判断して素っ気なく答えると、隣で聞いていたラクスが笑い出した。
ラクス
「はは、最近吸血鬼化した奴らって何でどいつも性格悪いのかな?」
レーネ
「さあ?」
彼らの会話の意味はよく分からない。
でも彼らの傍には最近吸血鬼化した者がいるのだという事だけは分かる。
「………」
ミカかもしれない。
そんな淡い期待を思わず抱いてしまう。
でもそんな事を考えている場合では無い。
「用がないのなら指揮官の指示でも聞いてきたらどうです?」
だから気持ちを切り替えていつもの私に戻る事にした。
ラクス
「言われなくてももう行くよ」
それ程私に関心が無かったらしく、あっさりと立ち去った2人。
何がしたかったのか謎は残るが気にしない方がいいだろう。
それよりも今は任務に集中すべきだ。
私を遠巻きに見ている吸血鬼達の方を気にしない様、反対を向くと知っている吸血鬼が現れた。