第14章 任務
つまり私の実力は認めていない。
あわよくば私を倒し、私の席を奪い取りたいのだろう。
こんな風に煽るなんて吸血鬼でもこういう所は人間みたいだ。
でもそんな挑発に乗るつもりはない。
「あなたの考えは分かりました。ですが、そんなお気遣いは不要です」
指揮官
「…そうですか」
嫌味だったのだろうけど敢えて丁寧に言った。
ここで怒った私が攻撃をしたら正当防衛として隊全員で殺す気だったのかもしれない。
隊の全員が呆気に取られたのを感じていると、明るい声が割り込んできた。
?
「そのくらいにしといた方がいいんじゃないかな」
?
「フェリド様達に告げ口でもされたら痛い目を見るのはあなたですよ」
そちらを見ると、貴族の私とこの隊の隊長らしき司令官しかしていない一級武装をした2人の吸血鬼が立っている。
指揮官
「ラクスとレーネか」
ラクス
「ほら僕らで最後。全員揃ったよ」
指揮官
「…分かった」
まだ言い足りない様子だが、2人に急かされると渋々立ち去った。
一応この2人に助けられたのかもしれない。
2人の特徴を見て、フェリドから聞いた事がある名前を思い浮かべると該当する吸血鬼を思い出した。
都市防衛隊のラクス・ウェルトとレーネ・シム。