第14章 任務
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「ここ…かな」
到着して辺りを見ると、吸血鬼が集まっているのが見えた。
恐らく収集がかかった吸血鬼の大半が到着しているらしい。
吸血鬼1
「おい、あれ…」
吸血鬼2
「…ああ」
その集まりに近づくと、私が来ると知らされていたはずなのに下位の吸血鬼達は嫌そうな顔をしている。
ここにいる隊は初めて会うはずなのに何故なのか、疑問に思っていると1人の吸血鬼がこちらに来た。
嫌味な笑みを浮かべるこいつは今回指揮を務める吸血鬼。
指揮官
「これはこれは第十三位始祖のアリス様、わざわざ貴族様を前線に出させる事になり申し訳ありません」
「いえ、気にしないでください」
形だけの謝罪に私も冷たく返す。
その態度が気に食わなかったのか、指揮官の顔が一瞬だけ歪んだ。
でもすぐに取り繕う様な笑みを貼り付ける。
指揮官
「ではアリス様は1番最後尾にいてください。戦闘しなくて大丈夫なのでどうぞご気楽に」
「………」
フェリドは私が武器の準備をするのを止めなかった。
つまり戦闘しろという事になる。
「何故か伺っても?」
だから素直に理由を聞くことにした。
指揮官
「あなたが貴族と言っても戦闘経験もない名ばかりの貴族で、ここ数年に吸血鬼になったばかりのただの子供だから…というのはどうでしょう」
「そうですか」