第13章 日本帝鬼軍
吸血鬼が減ると任務に貴族が動員される。
つまり未だ人間と戦えていないアリスも僕とは違う任務に向かわされるかもしれない。
クローリー
「………」
アリスは人間と戦えるのか。
そんならしくない心配をしながらアリスの後を追った。
*****
(ミカside)
地下都市へと帰った僕はすぐに鬼呪の毒の除去をしていた。
思いのほか傷が深くて時間がかかったが、無事に除去が終わり立ち上がる。
ミカ
「……!」
そして背伸びをした時、異変に気づいた。
ミカ
「涙なんか吸血鬼になってから流した事無かったのに…」
そう、僕は涙を流している。
ラクス
「ミカ」
このありえない状況に呆然としていると話しかけてきたのはラクスとレーネ。
でもくだらない話だったのと、それどころでは無かったので無視をしていた。
ラクス
「あの化け物、お前の知り合いだったんだろ?」
ミカ
「……っ」
ラクス
「だからお前はクルル様のお気に入りなのか?」
想定していなかった質問に思わず息を飲む。
優ちゃんの事を話すつもりは無いし、なんと言っていいのか分からない。
でも今の反応はまずかった。
ラクス程の頭が切れる吸血鬼が、僕の反応を見て何かしらあると気づかないはずがない。