第13章 日本帝鬼軍
クローリー
「へぇ…」
声のトーンからは分かりづらいが、この反応は驚いている。
お兄ちゃんも知らなかったのなら無理をしてでも聞いた甲斐があった。
クローリー
「良かったな」
安心と優ちゃんが生きていたという実感から笑顔を浮かべた私に、少しだけ複雑そうな顔をしながらお兄ちゃんはそう言ってくれた。
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(クローリーside)
笑顔で話すアリスには申し訳ないが、僕は別の事を考えていた。
これは少しまずいかもしれない。
フェリドくんはミカくんと優の事をアリスが気づかないようにしろと言われていた。
「あの化け物みたいになった人間が優ちゃんだったんだけどね」
でもアリスは優が生きている事を嬉しそうに話している。
クローリー
「フェリドくんに怒られるだろうなー」
「?」
クローリー
「いいや、なんでもないよ」
思わず出てしまった言葉に反応されたが、聞き取れなかった様なので首を振る。
怪訝そうな顔をしてくるが、追求されても困るので話を変える事にした。
クローリー
「あのオールバックの男は優ちゃんの事を素直に教えてくれたの?」
「え?ああ…」
突然振られた話に戸惑いを見せるが、先程までの話の流れとしてはおかしくなかったのだろう。
特に気にする事無く話し始めた。