第13章 日本帝鬼軍
満足した私は、遠くで待ってくれているお兄ちゃんの所へ行こうと立ち上がったその時だった。
「……っ」
僅かな殺気を感じ取り、後ろへと軽く飛ぶ。
?
「ちっ外したか」
そんな声が聞こえ、先程まで私がいた場所に目を向ける。
そこにいたのは刀を振り下ろした冷たい目をした高圧的な印象の男。
?
「一瀬中佐、分家のクズの割りには良くやった」
オールバックの男
「うるせぇよ。いつも通り美味しいところは本家様が持っていけよ、暮人」
暮人
「はは、愚痴るなよグレン」
暮人と呼ばれた男は私にはもう追いつかないと判断したのか、私の事を追おうとはしていない。
それよりもあのオールバックの男をグレンと呼び、話し始めた。
「………」
それでもまだお兄ちゃん達よりも彼らとの距離の方が近い。
だからこちらに意識を向けられる前に私はお兄ちゃんの元へと移動する。
クローリー
「僕らの後ろにいて」
「うん」
言われた通り2人の後ろまで下がると、暮人とグレンがこちらを向いた。
暮人
「じゃあ、行くぞ。貴族共を生け捕りにする」
暮人から放たれる鋭い殺気。
その殺気と言葉に鼓舞された人間達もまた立ち上がると、武器を構えた。
クローリー
「これどうするの?フェリドくん」
フェリド
「んー、人間がわらわら増えてきてなんか気持ち悪いから逃げる」