第13章 日本帝鬼軍
でもそれはお兄ちゃんにフードを抑えられた事で阻止されてしまった。
その光景を見せたくないのか、それとも他の理由があるのか。
理由は分からないが仕方ない。
オールバックの男
「優に抱きつけシノア!今の優なら戻ってこられる!!」
諦めて下を向いた瞬間、耳に入ってきたのは沈黙を貫いていた男が叫んだ内容。
優、と彼は言った。
信じれない気持ちで顔を上げる。
シノアと呼ばれた女は化け物に抱きついていた。
優
「ぐあああ!!」
それが効いたのだろうか。
化け物は叫び声を上げると、血を吐いて倒れた。
気絶した様に見える。
オールバックの男
「派手な演出だろう?あれが俺の切り札だよ」
その一部始終を確認してからオールバックの男は私達に挑発をしてきた。
フェリドはその挑発を聞いて楽しそうに笑う。
フェリド
「でも結果はなんにも出なかったじゃない」
オールバックの男
「いや、出たね。俺達はただの時間稼ぎの囮だからな」
クローリー
「囮?」
黙っていたお兄ちゃんも思わず反応した。
この男はそんなお兄ちゃんにも不敵な笑みを浮かべる。
オールバックの男
「日本帝鬼軍のお偉方が本隊率いてここに来る。お前らはこれで終わりだ」
フェリド
「……ん?」
普通は言わない方がいい情報を語る男に違和感を覚え始めた時、フェリドが何かに気づいて後ろを見た。