第13章 日本帝鬼軍
フェリドの事をスルーして目的の人間に尋ねる。
刀を見せると、男は不思議そうな顔をして頷いた。
オールバックの男
「…ああ」
「そう…」
私の行動の意味が分からないようで眉を顰める男。
フェリドも口は挟まないが、首を傾げている。
「じゃあ真昼を知ってる?」
オールバックの男
「………」
その質問に男は答えなかった。
だが、一瞬眉が動いたのに私は気づく。
この反応は知っている。
そう確信して聞こうとした時だった。
?
「うわああああああ…!!!」
誰かの叫び声が響き渡る。
何事かと声のした方を見ると、そちらには黒い羽が生えている何かがいた。
オールバックの男
「…始まった」
「何あれ…」
男が何か言ったが、それどころではない。
あの異形な化け物は何なのか。
化け物は刀を一振りする衝撃だけで辺り一帯を消滅させるだけの力を持っている。
クローリー
「人間は気味の悪いバケモノを作るなぁ」
困惑していると、お兄ちゃんもこちらに来た。
信頼できる吸血鬼が増えたので少し安心するが、あの存在にはお兄ちゃんもいい顔はしていない。
クローリー
「ちょっとやばいか。フェリドくんどうする?」
フェリド
「…あれ、何?」
お兄ちゃんに聞かれてフェリドが男へと声をかけるが、返事をしない。
答える気は無いらしい。