第13章 日本帝鬼軍
状況はあまり良くない。
人間も吸血鬼も被害は同じ位に見える。
だが、これから一気に逆転できるだろう。
なぜなら私達が来た事で4人も貴族が参戦するからだ。
オールバックの男
「くそ、また貴族が増えやがった」
人間に勝ち目は無い。
それを司令塔らしきオールバックの男も瞬時に理解した。
オールバックの男
「撤退だ!!」
だからか、私達が戦闘を始める前に撤退を決断する。
フェリド
「逃がさないよ〜」
だが易々と逃がす訳が無い。
嫌な笑顔を浮かべたフェリドが1人の人間の肩を掴んだ。
フェリド
「わ」
だが、すぐにその手は離れる。
フェリドの傍にいた吸血鬼がフェリドの腕を切り落としたからだ。
フードを深く被っている為、余り見えないが音からしてそんな感じだろう。
クローリー
「お前達も行け」
私達も戦闘を始める様だ。
お兄ちゃんの言葉を聞いてチェスとホーンは先に人間へと向かって行く。
クローリー
「僕らも行くよ」
「………」
声が出せない代わりに頷くと、お兄ちゃんは走って行った。
私も行かなくてはいけない。
そう思い着いて行こうとした時、視界の端に地面に刺さる刀を捉えた。
その刀になぜか強く引かれる。
「……っ?」
思わず刀へと近づくと、私の体に異変が起きた。
何かが纒わり付く嫌な感じと、よく分からない恐怖感。