第13章 日本帝鬼軍
彼女を見ていると思い浮かんだのはもう少し大人びた女の人だった。
「会った事あるのはあの人間じゃない…?」
まさか未来の姿が見える訳ないので、見覚えがあるのは彼女に似た人間という事になる。
だが、今ではその人間の姿も思い出せない。
「…ごめん時間取らせて、行こっか」
思い出しても意味がない事にこれ以上時間はかけられない。
だから私は諦める事にした。
クローリー
「別にいいよ。フェリドくんが何とかしてるだろうから」
「確かにフェリドなら1人で何とかなりそう」
先程の戦いを見ていて日本帝鬼軍は束にならないと吸血鬼とは戦えない事が分かっている。
つまり貴族の敵ではない。
「お兄ちゃん」
クローリー
「ん?」
「私もちゃんと戦うから」
そう言って頷き合うと、私達は前線へと足を進めた。
*****
急いだ為、先に行った2人と合流できた。
もうすぐでフェリド達がいる前線だ。
クローリー
「アリス、お前は今から一言も喋らないでフードを深く被ってるんだ」
「…分かった」
到着してまず言われた指示。
返事をしてから私は黙り、フードを深く被り直した。
それを確認してからフェリドへと近づく。
クローリー
「私をお呼びと聞きましたが、第七位始祖様?」
フェリド
「ああ、クローリーくんか。待ってたよ〜」